今回紹介するのは前回に続き「神無月の巫女」(かんなづきのみこ)です。今回は主人公の「来栖川 姫子」(くるすがわひめこ)です。
「神無月の巫女」がどんな作品かについてはこちらで触れていますので、気になる方はチェックしてみてください。
来栖川 姫子について
乙橘学園に通う生徒。後に陽の巫女であることが発覚します。
幼少期に両親を亡くし、引き取られた親戚の家では虐待されるという壮絶な過去がある為か、引っ込み思案な性格で学園では浮いており友達が少ない。紛れもなく美少女ですが、周りからは全くそんな扱いはされていないようです(笑)
また、親友である「マコちゃん」こと「早乙女マコト」がオロチ襲撃時の負傷が原因で疎遠になってしまったことで孤立を深めてしまい、さらに学園では超有名人の「姫宮 千歌音」と「大神 ソウマ」の介入もあり、周囲(彼らのファン)からは嫉妬という反感を買ってしまう。
オロチと戦い皆を守る存在の陽の巫女なのに一般人からは認知されず、学園では嫌がらせを受けるという構図が、なんともやりきれないです。
姫子と千歌音の関係
出会いのきっかけは些細な出来事で、千歌音が一人でいたい時に利用していた誰にも知られていない花園に姫子が入ってきた事から始まります。
ただ、この出会いがお互いの心の奥底に眠っていた感情を大きく揺さぶったようで。後の回想シーンで姫子をこのように語っています。
「その人は春の日差しの中で佇んでいました。花園に舞い降りた天使のような美しい姿で。そよ風を孕んで舞う美しい黒髪。すらりと伸びた手足。その人の神秘の湖のような深い輝きを湛えた瞳は――ただまっすぐに私を見つめていました。その眼差しを前に私は胸が高鳴り、息も出来ない程の衝撃と感動が、私の心をいっぱいに満たしていきました。これが私と千歌音ちゃんの出会い――運命の出会いでした。」
(C) 2004 介錯/神無月の巫女製作委員会より引用
この出会いの時点でお互い惹かれあうものを感じたのでしょう、これ以降時間さえあれば一緒に過ごすようになったようです。普段家や学校の行事で何かと忙しい千歌音も姫子と一緒にいられるならと、地位と権力を自身の為に利用していきます。
しかし、そんな二人の仲睦まじい姿もオロチとの戦いや、姫子に好意を寄せる大神 ソウマの存在によって綻び始めていきます。
姫子とソウマの関係
二人は幼少期からの長い縁があります。
当時、虐待で苦しんでいた姫子の心の拠り所がソウマだったようで、子供だったソウマ一人に具体的に何かできたとは考えにくいですが、姫子にとっては大きな存在だったでしょう。
そんな長い付き合いの二人ですが、姫子は友達としてしかソウマを意識していなかった為、ソウマのアタックも脈なしという悲しい状態。しかし、そんな様子を見ていた千歌音は親友として姫子にアドバイスをしたり、機転を利かせて二人の時間を作ってあげたりと尽力します。たとえそれが千歌音の本心で無かったとしても……。
最後に
姫子は大人しく引っ込み思案なので傷つきやすく、いつもその傷を慰めてもらうのが千歌音で。
そしてオロチ戦ではいつもソウマに守られてばかりで……という残念な主人公です。
正直、これで主人公が男だったら叩かれていたかもしれません(笑)
ただ、終盤になってからは自ら進んで行動を起こしていき、今まで一方的に投げていただけだった想いを今度は姫子が全て受けとめるという器を大きさを見せつけられます。終わり良ければ総て良しという具合に成長を見せる良い主人公となりました。
結末は是非見ていただきたい作品です!
また、「神無月の巫女」のスピンオフ作品『姫神の巫女』が電撃マオウにて連載しています!要チェック!
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